炎症性腸疾患とは
患者数は年々増えています
大腸および小腸の粘膜に、慢性の炎症や潰瘍をひきおこす疾患の総称を「炎症性腸疾患」と呼びます。炎症性腸疾患の代表的なものは「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」の2つです。これらは、長期間に複雑な経過をたどるので、病期や患者さんの生活習慣に応じた治療が必要となります。
どちらの病気も、現在のところ根治させる治療方法が確立していません。そのため、厚生労働省によって「難病」に指定されており、医療費の一部または全部について、公費助成を受けることができます。
当院では、炎症性腸疾患を専門にしているドクターが治療に当たっております。気になる症状がある方は、遠慮なくご相談ください。
潰瘍性大腸炎とは
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜にびらん(ただれ)や潰瘍などの炎症が生じ、下痢・軟便・血便・腹痛などが繰り返し起こる病気です。症状が悪化すると、体重減少や発熱などの全身症状が起こることもあります。
比較的若い層(男性20~24歳、女性25~29歳)に多く見られ、男女比は半々くらいです。原因ははっきりとはわかっていません。
クローン病とは
クローン病は、小腸や大腸などの腸管壁に炎症や潰瘍などができる、慢性の炎症性疾患です。クローン病の発症する年齢も若年層(男性20~24歳、女性15~20歳)が多く、男女比は2:1で、男性に多く見られます。
主な自覚症状として、腹部全体の痛み・下痢・血便があげられます。発熱したり消化吸収能力が落ちたりすると、体重の減少なども起こります。長期間にわたって、良い状態と悪い状態を繰り返し、症状が徐々に進行します。
検査方法
内視鏡検査を行い、組織を採取して診断します。
治療方法
当院では以下の治療方法を実施しております。潰瘍性大腸炎とクローン病では治療方法が異なりますので、詳しくは当院スタッフまでお問い合わせください。入院治療を要する際は、近隣の大学病院や基幹病院を紹介しております。
治療法 | 使用薬剤 | 当院で実施の有無 | |
栄養療法 | 経口栄養剤 | エレンタール | ○ |
内服加療 | 5ASA製剤 | ペンタサ アサコール リアルダ サラゾピリン | ○ |
ステロイド | プレドニン ゼンタコート | ○ | |
免疫抑制剤 | イムラン アザニン | ○ | |
プログラフ | x | ||
局所療法 | 5ASA製剤 | ペンタサ注腸 ペンタサ坐剤 | ○ |
ステロイド | プレドネマ レクタブル | ○ | |
透析療法 | 白血球除去療法 好中球除去療法 | x | |
注射療法 | 抗体製剤 | ヒュミラ | ○ |
レミケード シンポニー |
導入予定 | ||
ステラーラ | x | ||
手術療法 | x |