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2018.08.31更新

今日は横浜市立市民病院炎症性腸疾患科による炎症性腸疾患の病診連携の会でした。

最近増加傾向にある炎症性腸疾患は、大病院では飽和状態にあると同時にクリニックでも増加の一途をたどっています。

当クリニックも開院し間も無く2年目に入るところですが、潰瘍性大腸炎の患者様が既に60人を超えてきました。転医を除いた新規の患者様だけでも40人を超えています。これからどれだけ増えていくんでしょう?

そこで大事なのは病診連携です。重症例や寛解導入困難症例は大病院で治療を行い、中等症や軽症例はクリニックで治療を行う。その病診連携が取れていれば理想的です。しかし実際にはなかなかうまく行きません。当院は幸い昭和大学横浜市北部病院の小形先生や昭和大学藤が丘病院の黒木先生のご好意により比較的バックアップを含めた病診連携が取れたクリニックだと思います。

今回の会ではどちらかというと外科の色合いが強い横浜市立市民病院が主催です。会の二部にあたるディスカッションで開業医と大病院の間で様々な意見が交わされると思いきや、残念ながら盛んなディスカッションは全くありませんでした。企画自体は非常に面白かったので残念でならない会でした。

今後もこのような会を重ねて行き、実臨床に沿ったIBDの病診連携が成熟していくよう願っています。

また横浜市の北部地域でもこのような会が行われることを希望しております。IBDrennkei

投稿者: 仲町台駅前まつのぶクリニック

2018.08.09更新

今日の講演会はインターネットシンポジウムということで中継でのご講演でした。

臨場感がないのが残念ですが、内容は素晴らしく良い内容でした。

ゼルヤンツ、JAK阻害薬の講演会でした。演者は札幌医科大学の仲瀬裕志先生。仲瀬先生の御講演はいつも本当にわかりやすく明確な解説をしてくださります。

今回も作用機序から含め丁寧な解説でありました。

潰瘍性大腸炎における免疫細胞とサイトカインネットワークは複雑に絡み合っています。それらをブロックしてサイトカインを抑える治療が盛んになっている中JAK阻害薬が登場してきました。すでにリウマチ領域では一般的になっている薬ですが、潰瘍性大腸炎ではまだそれほど処方されていません。これまでの生物学的製剤と異なり低分子化合物てあるゼルヤンツは分子量が小さいため内服で投与できるというのが大きいです。私のような開業医にはうってつけのような気がします。ただ、また全例調査中なのでクリニックで使えるようになるにはまだ時間がかかりそうです。ゼルヤンツはJAK1、JAK2、JAK3、TYK2を阻害、特にJAK1を強く阻害するため、IL-2,7,15,21,6,13,INF-γ,IL-22のPathWayを抑えるのでかなり期待が持てます。以前はこのサイトカインの機序を理解するのに自分の頭をフル回転させていましたが、最近様々な講演会や勉強会で頭に叩き込んだことで、拒絶反応なく理解できるようになってきました。仲瀬先生も公演中に「これからはどのサイトカインが動いて病態が変化しているのかを理解して治療する時代に入った。」とおっしゃっておりましたが、まさしくその通りだと思います。このサイトカインの機序を理解できていない消化器内科医はIBD治療から取り残されていくのだと思います。

講義の最後に質疑応答がありました。ゼルヤンツの副作用には帯状疱疹をはじめとした感染症、肝機能障害、好中球・リンパ球減少等がありますが、これらは理解できますが、消化管穿孔だけは理解ができませんでした。この疑問を質疑応答の時間に質問することに成功しました。仲瀬先生の返答は明瞭で簡潔でした!「腸管上皮の再生に関わるIL-22を阻害するからでしょう。」なるほど!先のサイトカインの機序を考えれば当然ですね!

先日大学の外来でゼルヤンツを処方しました。まだ潰瘍性大腸炎に対しては国内65例とのことでしたので、自験例は66例目でしょうか。なんとかJAK阻害薬を用いて寛解導入および維持を目指したいと思います。まだ登場して日が浅い薬なので慎重に慎重を期してフォローアップしていきます。JAK

投稿者: 仲町台駅前まつのぶクリニック

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消化器のなやみを抱えておられる方は、ぜひ当院までご相談ください。

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